「児童養護施設 クリスマス・ヴィレッジ」vol.2


シャドーボクシングを終えて、ミット打ち。

まずは日本タイトル防衛記録保持者、リック吉村のスピーディーなコンビネーションを披露し、
子ども達のどよめきが起こった。


「世界チャンピオンみたーい!!」

「ボクシングみたーい!!」


と、かわいい発言も飛んでいた(笑)


リックはグローブをつけると、真剣な表情に変わり、受ける僕も真剣になった。
現役選手のミットを日々持っているが、リックの放つパンチには自信がみなぎっているのを感じた。


さぁ、子ども達の出番だ。


思い切り打ってこいよ!!


ミット打ちも後半に差し掛かった頃、
カメラマンのえびちゃんが「この子打ちたそうにしているんですよね~」と

ある女の子を連れてきた。

恥ずかしそうに、近づいてきたその子に「1回でいいからやってごらん」と声を掛けた。

グローブを付けたその子に
「嬉しかったこと、悲しかったこと、怒ったことを拳に込めて打ってごらん」と言うと、
最初は照れ笑いをしながら打ってきたのだが、
「今までの嬉しかったことはそんなもんか?」と声を掛けていくうちに、
だんだん目の輝きが増し、力強いパンチになっていく。

1R終わると、「次は悲しかったことを思い出して打つよ」と、言ってくれた。


彼女は計6回もやってくれた。

1回ごとに、さまざまな思いを思い出しながら。



これがSkyhighRingS~SRS~ボクシングセッションの大きな魅力ではないだろうか。


言葉ではなく、拳で伝え、受け止める。


お互いのコミュニケーションが、自然と深まっていくのです。
この活動を続けていると、しみじみ感じることである。



いよいよ、メインイベント。

16年ぶり。



リック吉村との再戦。



次回へ。