「児童養護施設 福岡育児院」vol.2





全体のミット打ちの風景。


熱気がすごかった。

子ども達の応援する声、タイムキーパーの「ラスト30~!!」の声でテンションは上がりまくる。

拳に思いを乗せて、熱い時間を過ごしたあとは……




お楽しみのおやつタイム。



すっかり打ち解けた子ども達との、コミュニケーションの時間です。
この時間もとても大切です。





この日誕生日だった姉妹のために、僕は「Happy Brithday to you」を歌いました。
食堂で皆で大合唱となりました。

「お前達誕生日なんだから、俺を持ち上げてみろ」という訳のわからないリクエストに答え、
軽々持ち上げてくれた。楽しい時間をありがとう。





プレゼントするミットとグローブに、僕の熱を伝承。
子ども達の10発カウントダウンが、響き渡った。





今日の熱のやりとりを、続けていってくれな。





今回協力をしてくれたKASUYAボクシングジムから、
子ども達へのグローブのプレゼントをいただきました。
ご協力誠にありがとうございます。

この度おやつ代を、社団法人 福岡県少年補導員連絡協議会様よりいただきました。
ご協力誠にありがとうございます。

お手伝いをしてくださった、江頭警部、村田警視、少年警察学生ボランティアの皆さん、
誠にありがとうございました。




福岡育児院のみんな、また会おう。



「児童養護施設 福岡育児院」vol.1


5月23日。
福岡県福岡育児院にて、SRSボクシングセッションを行いました。





今回のメンバーは、現地スタッフ。
KASUYAボクシングジムのメンバー2名と、少年警察学生ボランティア3名。
警察官の江頭警部と村田警視。そしてカメラマンのえびちゃんと僕です。





最初に挨拶。
子ども達と初顔合わせになる場合は、まず僕から話をします。
とても行儀良く聞いてくれています。





そしてスタッフの紹介。
ひとりずつ、自己紹介を簡単に。結構これでキャラが決まったりします。
この時間、結構好きです。





まずは準備体操。
入念に身体をほぐします。





そしてシャドーボクシング。
真剣な表情を、出来ればモザイク無しで伝えたいです。とてもいい顔をしています。


ここまで20分弱。





お待ち兼ねのミット打ちスタート。
このミット打ちは、ボクシングのレッスンではありません。


「君達の拳で、今までのいろんな思いを込めて、
思い切り打ち込んできてくれ」


そう、初めに子ども達へ話します。
そうして、打つ側と受ける側の言葉ではないコミュニケーションが始まるのです。





いつも九州で何かあるたびに、必ず駆けつけてくれる弟分。
平山司。

SRSボクシングセッションは今回2回目の参加。

司自身も施設生活経験者であるが故に、子ども達への思いは強い。
ちなみに和白青松園の後輩である(さらに西日本ミドル級新人王のボクシング経験者でもある)





井上剛。
KASUYAボクシングジムのオーナー。

今回初参加してくれた彼らは、僕の講演を聴きに来てくれたことがきっかけです。

その後、ジムに直接連絡をくれたことは、とても嬉しかったです。
どこに縁が繋がっているかわかりませんね。





大迫伊千呂。
彼はKASUYAボクシングジムの会長。

2人とも熱い魂の持ち主だ。




写真は残念ながらないのだが、もう一人の功労者。その名は、高木聡。
ボクシング戦績は無敗。

ちなみに昨年は何度か共に練習をし、
スパーリング・ミット打ちを行う度に猛烈に嘔吐を繰り返していた男。

次の機会には、写真撮って貰おうな。
などなど。。。




熱いスタッフ達の中で行われるミット打ちは、
子ども達の笑い声や気合いの声が響き渡る、熱気のこもった時間である。

今回参加してくれた少年警察学生ボランティアの方々は、
タイムキーパーや子ども達への誘導と、グローブの装着の手伝いをしていただきました。

この役割りがいるかいないかで効率がぐんとスムーズになるため、大変大事なスタッフです。



江頭警部と村田警視は、さすが現役警察官。
声の張りと大きさの迫力には、驚かせられました。

その声に乗って、子ども達のミット打ちのテンションもぐぐっと上がっていました。



次回へつづく。



「児童養護施設 クリスマス・ヴィレッジ」vol.4





リックとのスパーリングが終わり、僕の渾身の左フック10発を披露。
これはプレゼントするミットとグローブで、必ず行います。


僕の熱を沁み込ませるつもりで打ちます。





そしてお楽しみの時間。おやつタイムです。





ボクシングセッションを終えると、互いに打ち解けて、子ども達との距離はもっともっと近くなります。



帰り際に、バイトから帰ってきた女の子がいました。

「やりたかった~!!」

と、間に合わなかったことを悔しそうにしていたので

「また来るからね」

と、約束をしてきました。



クリスマス・ヴィレッジのみんな。
また会おう!!



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リック吉村とは、引退をしてから何度か会っている。
彼がアメリカへ仕事の為に帰るときにも、僕は成田へ見送りに行った。

後楽園ホールで会えば、話したりもしたし、彼の住む米軍基地へ遊びに行ったこともある。
しかし、いずれもそこではトークするだけで、拳を交えることは出来なかった(当たり前だが)

今回、SRSボクシングセッションに協力してくれたおかげで、
僕達は16年ぶりにグローブを着けて向き合っていた。



16年前から引退するまで、
つまり12~13年間、僕らはいつ再戦するやも知れないと、
心の片隅にいつもお互いを意識し続けていた。



リックは「Kill sakamoto!!」と試合後に行った手術後のベッドの上で、言い続けていたらしい。
僕も「いつでもやってやる」と公言していた。




そんな2人が今。



この友情は永遠である・・・。



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「児童養護施設 クリスマス・ヴィレッジ」vol.3


「さぁ~スパーリングの準備をしようぜ。リック」と声を掛けた。
リックはおもむろにポケットからテーピングを出し、手に巻きつけ……


「Hey, サカモト。バンデージは?」


この男。。。やる気満々である。
するとカメラマンのえびちゃんが、


「リック、すごい気合いですね」


と少々心配げに、そして少し興奮気味にカメラを構えた。
僕も徐々にボルテージが上がり、緊張感が湧いてきた。



第1R 開始。



いきなりヒートアップ。



僕がボディーをめり込ませると





リックも強烈な左ボディーを打ち返す



実は、16年前に闘ったときにもこのボディーブローを何発ももらい、試合翌日には血尿が出たんだ。
こんなことは、後にも先にもこの時だけ。

そんな記憶が蘇った。

「相変わらずいいボディーブローを打つな」と思った。

16年前には、リックは右肩を故障しており、得意の右ストレートをほとんど打てずにいた。

16年後のこの日リックの右ストレートを受け、
あの時自分に打ち込めなかった悔しさが込められていた気がした。

この日のスパーリングで、一番効いたパンチであった。




僕も負けじと、リックの左ジャブに合わせて、得意の右クロスカウンターをヒット。



2Rのスパーリングは、終始お互いの得意なパンチを出し合う特別な時間だった。





この2ショットは、お互い現役時代には考えられないことだった。



ホールなどで会ったときや、表彰式で会うことはあった。

しかし、お互いいつ再戦するかもしれない、という思いを持ち続けていたので、
目も合わさず、挨拶も無く、すれ違うだけだった。

お互い引退をし、勝負する関係ではなくなった。

だからこそ、友情という形で再会出来たことが、なにより嬉しい。

僕が思いを込めて活動しているSRSボクシングセッションに、
快く協力してくれたリックの熱い気持ちとハートに、心から感謝を伝えたい。




どうもありがとう。




この日、クリスマス・ヴィレッジに「リック吉村」と「坂本博之」のサイン色紙が飾られた。

次回へ続く。




「児童養護施設 クリスマス・ヴィレッジ」vol.2


シャドーボクシングを終えて、ミット打ち。

まずは日本タイトル防衛記録保持者、リック吉村のスピーディーなコンビネーションを披露し、
子ども達のどよめきが起こった。


「世界チャンピオンみたーい!!」

「ボクシングみたーい!!」


と、かわいい発言も飛んでいた(笑)





リックはグローブをつけると、真剣な表情に変わり、受ける僕も真剣になった。
現役選手のミットを日々持っているが、リックの放つパンチには自信がみなぎっているのを感じた。





さぁ、子ども達の出番だ。



思い切り打ってこいよ!!





初参加のリックは、子ども達に大人気だった。





常はもう少し搾ろうか。





次の試合には、子ども達が応援に来てくれるからな。がんばれや。





鹿児島から上京し立ての19歳。プロ目指してトレーニング中の吉人。





中島は例の事件以来の初参加。
明るく振舞っていても、まだ消化し切れていない部分が多く残っているようだ。
本人も名誉挽回するよう、頑張っています。





リックのパフォーマンスも子ども達にウケていた。



ミット打ちも後半に差し掛かった頃、
カメラマンのえびちゃんが「この子打ちたそうにしているんですよね~」と

ある女の子を連れてきた。

恥ずかしそうに、近づいてきたその子に「1回でいいからやってごらん」と声を掛けた。

グローブを付けたその子に
「嬉しかったこと、悲しかったこと、怒ったことを拳に込めて打ってごらん」と言うと、
最初は照れ笑いをしながら打ってきたのだが、
「今までの嬉しかったことはそんなもんか?」と声を掛けていくうちに、
だんだん目の輝きが増し、力強いパンチになっていく。

1R終わると、「次は悲しかったことを思い出して打つよ」と、言ってくれた。


彼女は計6回もやってくれた。

1回ごとに、さまざまな思いを思い出しながら。



これがSkyhighRingS~SRS~ボクシングセッションの大きな魅力ではないだろうか。


言葉ではなく、拳で伝え、受け止める。


お互いのコミュニケーションが、自然と深まっていくのです。
この活動を続けていると、しみじみ感じることである。



いよいよ、メインイベント。

16年ぶり。



リック吉村との再戦。



次回へ。






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